ベトナムは、温室効果ガス(GHG)の排出削減目標を実現し、国が決定する貢献(NDC)を達成するとともに、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロ(Net Zero)の実現に向けて、カーボンクレジット制度の構築・整備を段階的に進めている。政府の方針に基づき、国内の状況と国際的な慣行との整合性を確保しながら、制度・法的枠組みの整備、管理インフラの構築、試行運用、全国的な本格運用へと段階的にカーボン市場を発展させるロードマップが策定されている。
現在までに、ベトナムでは2020年環境保護法をはじめ、温室効果ガス排出削減、カーボン取引所、カーボン市場の発展に関する政令等を通じて、比較的包括的な法的枠組みが段階的に整備されている。これと並行して、政府は温室効果ガス排出量のインベントリ(GHGインベントリ)の実施、大規模排出部門を対象とした排出枠の試行的な配分、国家登録システム(National Registration System)の構築、排出枠およびカーボンクレジットの取引メカニズムの整備を進めている。
現在のロードマップによれば、2027年までの期間は、法的枠組みおよび技術インフラの整備を完了するとともに、カーボン市場の試行運用を実施することに重点が置かれている。2028年からは国内カーボン市場の本格運用が開始され、取引範囲を段階的に拡大するとともに、パリ協定第6条に基づく国際的なカーボン市場メカニズムとの連携が進められる予定である。市場における主要な取引対象は、温室効果ガス排出枠(emission allowances)と、適格な国内外の排出削減プログラム・プロジェクトによって創出されるカーボンクレジット(carbon credits)の2種類となる。
カーボンクレジット制度の構築は、気候目標の達成を支援するための手段となるだけでなく、グリーントランジションに向けた新たな金融資源を創出し、技術革新を促進するとともに、企業の競争力を向上させ、ベトナムの地域および世界のカーボン市場への統合を強化することにもつながる。本報告書では、ベトナムにおけるカーボンクレジット制度の実施ロードマップ、主要なマイルストーン、運用メカニズム、法的枠組み、ならびに関係主体が直面する機会と課題を整理し、ベトナムのカーボンクレジット制度の発展過程を包括的に概観する。


Tiếng Việt
English