ベトナム海域における洋上風力・波力発電のポテンシャル調査報告書

4月25日、資源環境省は、ベトナム海域における洋上風力・波力発電のポテンシャル調査報告書を発表した。この報告書は、各省庁、地方公共団体が、ベトナム海域の再生可能エネルギー、特に風力・波力発電に関する計画の練り、作成及び戦略、企画と開発計画の更新の過程で活用するための参考資料である。

資源環境省は、COP26の成果と、2050 年までに純排出量 を「ゼロ」にするというベトナムの約束された目標を実行するため、気象・水文総局に対し、建設省の他の機関と協力して、ベトナム海域における洋上風力・波力発電のポテンシャルについて報告するよう指示し た。

ベトナムは、アジアにおける強い安定した季節風地域に位置しているため、風力のポテンシャルが非常に豊富で評価されている。世界銀行(WB)のアジア地域のエネルギーアセスメントプログラムの調査結果によると、ベトナムの風力のポテンシャルは、世界や地域の他の国に比べて平均的だが、東南アジアでは最大級で、総風力発電ポテンシャルは513360 MWと推定され、ソンラ水力発電工場の生産能力の200倍、2020年のベトナム電力産業の総予測能力の10倍以上となる。

一方、東海は外洋に比べて狭い海域であるため、大西洋の東海岸や太平洋の沿岸のように一年中連続した波浪場が存在することがない。しかし、二つの季節風が交互にやってくる地域に位置するため、この地域の他の国々と比べて最も豊富な波力資源を有している。調査によると、東海の波力密度は、春から夏にかけて低く、秋から冬にかけて高くなることが分かっている。

報告書は、これまでのベトナムと外国の風力・波力ポテンシャルに関する研究成果を基に作成されている。また、風力・波力に関するデータ、ベトナムにおける既存モデルの再解析データなどを十分に活用している。

ベトナムの海域における洋上風力・波力発電ポテンシャルの報告書は、ベトナムの海域の風力・波力発電ポテンシャル、風に影響を与える条件、波力発電ポテンシャルを詳細に評価したものである。今後、資源環境省は、ベトナム海域における洋上風力・波力発電のポテンシャル報告書を改善・完成させるため、各部門に指示を出し続ける予定である。

報告書は、再生可能エネルギー、特にベトナム沖の風力・波力に関する戦略、企画、開発計画の計画・作成・更新の過程で、各省庁と地方自治体が活用するための参考資料である。

 

報告書の内容は、4つのパートで構成される:

パート1:洋上風力・波力開発の現状:世界の風力・波力発電ポテンシャルの現状と開発動向、及びベトナムにおける風力・波力発電のポテンシャルに関する初期評価を言及する。

パート2:アセスメントの情報源と方法。

パート3:風力・波力発電のポテンシャルのアセスメント効果。

・ベトナム海域における風力のポテンシャル。

・ベトナム海域における波力のポテンシャル。

・気候変動のシナリオによって風力・波力発電のポテンシャルを予想する。

パート4:風力・波力発電の開発に影響を与える要因、および開拓事業が環境と社会経済活動に与える影響。

・海洋災害が風力・波力発電に与える影響

・風力・波力発電の開拓事業が環境と社会経済活動に与える影響。

 

ベトナム海域における風力のポテンシャル

再解析データに基づいて風力発電ポテンシャルを計算した結果によると、ベトナムの海岸地域における100m標高での風と風力発電ポテンシャルの分布は次のようになる。風力発電ポテンシャルの開拓が最も進んでいるのは、ビンディン省からニントゥアン省、ビントゥアン省からカマウ省、および北部湾のの中央海域の一部であることがわかる。特に、ニントゥアン省からバリア・ブンタウ省までの沿岸地域では、年平均風速が1秒あたり8〜10mで、年平均エネルギー密度が1平方mあたり600〜700W以上と一般的で、風力ポテンシャルは強いレベルである。具体的に、北部湾の北海には、東から北東の東が主導な風向で、年平均の風速は1秒あたり6~8mで、風力発電密度は1平方mあたり200~500Wの程度である。北部湾の南海には、東に吹くは主導な風向で、年平均風速は1秒あたり6~8mで、風力発電密度は1平方mあたり約200~500Wである。

クアンチ省からクアンガイ省の海上地域には、東に吹くは主導な風向で、年平均風速は1秒あたり6~8mで、風力発電密度は1平方mあたり約200~400Wである。ビンディン省からニントゥアン省には、北から北東が主導な風向で、年平均の風速は1秒あたり7~9mで、風力発電密度は1平方mあたり300~600Wの程度である。

ビントゥアン省からカマウ省には、北東の北から東が主導な風向で、年平均風速は1秒あたり7~10mで、風力発電密度は1平方mあたり約300~700Wである。カマウ省からキエンザン省には、東から東西の東が主導な風向で、年平均の風速は1秒あたり5~7mで、風力発電密度は1平方mあたり100~300Wの程度である。

北部の海域では、風力発電の開拓(平均風速が1秒あたり8m以上)に最適な時期は、北部湾で10月から2月、北部湾の南海域およびクアンチ省からクアンガイ省で11月から翌年1月である。

南部海域では、季節によって風速と風力発電密度が変化している。季節を移行する月より冬と夏の風速と風力発電密度の方が大きく、特にビンビンディン省からニントゥアン省、ビントゥアン省からカマウ省では冬が夏より大きく、またカマウ省からキエンザン省では夏と冬で大きな差はない。ビンビンディン省からニントゥアン省、ビントゥアン省からカマウ省の海域では、平均風速が1秒あたり8m以上で、エネルギー密度が1平方mあたり500W以上の11月から2月までが風力発電を開拓の最適な時期である。

標高150~200mでは、沿岸海域の風力発電密度の分布は標高100mと同様であるが、強い風力は南方の方に寄りになる傾向がある。標高150~200mの風力発電密度分布は、北部湾の北と南海域、クアンチ省からクアンガイ省、カマウ省からキエンザン省の海域では標高100mとほぼ同じで、ビンディン省からニントゥアン省 (1平方mあたり300~700W)、ビントゥアン省からカマウ省(1平方mあたり300~800W)ではそれほど高くはない。

 

ベトナム海域における波力のポテンシャル

年平均の波力計算の結果より、タイランド湾、1mあたり10kW 以上の東海の北部から中部、及び中部南岸に広がる地域、エネルギが高いポテンシャルのルソン海峡地域を除き、 波力ポテンシャルが1m あたり2kW 以上の領域は東海全域に位置している。冬には、北東季節風によって東海の北部と中部でかなり強い波力が発生し、特に12月には最大1m あたり70kW のエネルギーポテンシャルを持つ。

ダナンからニントゥアンまでのベトナム中部沿岸は、約50~60kW の波力発電があり、発生頻度は基準で60%以上で「中ポテンシャル」、基準で40%まで「上ポテンシャル」なので、波力発電の利用に最も適した時期になると思われる。

南西季節風の時期は、風速が北東季節風ほど強くなく、影響地域も東海の南部に限られるため、波力のポテンシャルは大きくない。この季節の最大波力は程度が1m あたり25kW で、7月に発生し、東海の南東沖に集中する。

また、20ヶ所の沿岸地点と水路観測所で抽出されたデータによるベトナムの沿岸域の波力発電のポテンシャルは、最も波力が大きい地域が中部地域(ダナンからニントゥアンまで)と北部と南部の沿岸帯より低い地域に集中する。北部湾とタイランド湾の沿岸域は、波力発電のポテンシャルが最も低くなっている。

 

まとめと建議

分析結果を通じて、ベトナムは、多くの風力・波力発電の高いポテンシャルを持っている海域はまだ開拓されていないことがわかる。ベトナムの政府は、枯渇しつつある既存のエネルギー源に代わって、再生可能エネルギーを利用する方向を進めている。気象海象事業は、現代的な気象海象の予測技術と、アジア諸国と同程度の高い計算能力を有しており、信頼性の高い長期予測を行うことができる。さらに、今後、気象海象予測は徐々に確率的予測(影響可能性)と特定な対象や運用単位への影響予測に移行していくだろう。影響ポテンシャルを予想する機械を整備するは、電機工場を始め、再生可能エネルギー開拓工場に対して、社会に直接に実現かつ利益な仕方である。予測・監視モデルを含む気象海象データは、関連機関との共同作業により補正問題を構築し、より正確で信頼性の高い風量・波量を予測・評価する結果を生み出す。一方、気象・海洋のデジタルモデリング技術が発達すれば、より詳細な風や波のポテンシャルマップを再構築することが可能となり、例えば、得られるエネルギーの安定度、自然災害状況が採掘場に与える影響など、より適した条件で新しい採掘場の可能性を評価することができるようになる。

しかし、風や波の予測の詳細化には、再生可能エネルギー発電所や再生可能エネルギー発電所の配電事業者のニーズを満たす信頼性の高い予測製品を持つために、計算能力の発展と適切なモニタリングデータの校正が必要である。一方、気象海象事業のモニタリングシステムは、通常、地表近く(標高10メートル)と高い地域(標高が何km以上)の風況に焦点を当てているので、開拓標高(標高が50m、100m、200m など)の風観測は、テーマ別観測(ポテンシャルを評価するため)と連続モニタリング(リアルタイム操作用)で補完する必要がある。

 

以上の観点から、洋上再生可能エネルギーの開発に向けて、本報告書では、今後実施すべき課題として、以下を提案した。

  1. 海域の自然環境状況の追加的な調査、測量を組織すること。

・調査、測定局の建設、最新の測量機器の整備、風力や日射の観測(サインロイド2(風速)、測風気球、無人機など)。バクロンヴィー島、コト島、コンコ島、リーソん島、フーキー島、コンダオ島、トーチュ島、フークオック島、チュオンサ島などの各島でサインロイド2(風速)を建設する予定である。

・沖観測所の現在の波浪測定方法と設備を測定自動機械にアップグレードする。これらの自動設備は、一日中でより高い頻度でかつ完全に標高、周期、方向のデータを継続的に収集するのである。

・沿岸域全体の波浪・潮流を測定できるように、ベトナム沿岸に海洋レーダー局を整備・設置することを継続する。

・島がない沖合の中南部沿岸などでは、測風気球、無人機や水路浮標などを利用して、大気測定器(LIDAR)を整備する必要がある。

  1. 空間中の風力発電ポテンシャルを詳細な再シミュレーションと評価における、数値モデリング技術を応用する。

・風と波エネルギーの観測とシミュレーション結果(高解像度気象・海象モデルによる)及び、2~3kmの水平空間におけるベトナムの海と島の観測データ、人工衛星、その他のデータソースと組み合わせて補正することで、ポテンシャルを算出する。

・ベトナム海域の風力ポテンシャル(標高60〜200m)と波力ポテンシャルのマップを作成する。

・ベトナム海域の風力・波力発電の可能性を調査する。

・潮流、潮汐、海流エネルギなどの他の再生可能エネルギーに関する調査・研究を拡大する。

  1. 風力発電、リアルタイム波浪の監視と予測、自然災害の警告、再生可能エネルギー生産に役立つ影響予測。

・予測モデル、衛星観測、レーダーを統合する機器を開発し、災害警報、影響予測に特化する製品を確立し、再生可能エネルギー生産に役立てる。

・再生可能エネルギー生産のために、数値モデル技術に基づくリアルタイムの風力・波力予測製品を開発する。

  1. 自然災害や海洋環境が洋上風力・波力発電プロジェクトの建設・開発に与える影響を詳細に研究・分析・予測する。

・海洋災害、地震が各地域の風力・波力発電プロジェクトの建設・開発に与える影響。

・環境、地質、海洋ダイナミック要素の各地域における洋上風力・波力発電プロジェクト建設・開発への影響。

  1. 洋上風力・波力発電事業が環境・社会経済活動に与える影響を調査・評価・予測する。

・風力・波力発電事業が地域の環境に与える影響。

・風力・波力発電事業が地域の社会経済活動、安全保障、海上保安に与える影響。

 

資源環境省は、ベトナムの海域における洋上風力・波力発電の可能性に関する報告書を、研究・調査のために関連の機関・団体に初めて公開する。

          (資源環境)

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